アメリカの永住権(グリーンカード)保持者が1年以上米国を離れると、再入国時のトラブルやグリーンカード剥奪のリスクが高まります。こうしたリスクを回避するために必要なのが「再入国許可証(Re-entry Permit)」です。再入国許可証を取得すれば、グリーンカードを維持したまま最長2年間、米国外に滞在することが可能になります。
本記事では、2026年3月に実際に申請した体験をもとに、再入国許可証の申請方法や取得までの流れ、注意点をわかりやすく解説します。
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再入国許可証(Re-entry permit)とは? なぜ必要?
アメリカの永住権(グリーンカード)保持者が長期間米国外に滞在する場合、再入国時に入国審査でトラブルとなったり、最悪の場合は永住権を失うリスクがあります。特に1年以上アメリカを離れると「永住の意思がない」とみなされる可能性が高まります。
「再入国許可証(Re-entry Permit)」を取得すると、アメリカの永住権(グリーンカード)を維持したまま、最長2年間米国外に滞在することが可能になります。
親の介護や健康上の理由、子供の教育など、やむを得ず長期間アメリカを離れる場合では、再入国許可証を取得しておくことで安心して海外滞在が可能になります。また事前に取得しておくことで、長期滞在後でもスムーズに再入国しやすくなります。
再入国許可証の申請は、「Form I-131(Application for Travel Document)」を使用し、必ず米国滞在中に行う必要があります。
「再入国許可証」申請から取得までの流れ
再入国許可証は、米国滞在中にのみ申請が可能で、取得までにはいくつかの重要なステップがあります。ここでは、筆者が2026年3月に実際に申請した体験をもとに、申請から受領までの流れや所要期間、注意点についてわかりやすく解説します。
申請書・Form「I-131」の記入
まずはUSCIS(米国移民局)の公式ウェブサイトにアクセスし、Form「I-131(Application for Travel Documents)」の作成を行います。
「I-131」は、PC上で直接入力して印刷する(Adobe Readerが必要)か、フォームを印刷して黒のペンで記入します。再入国許可証はオンライン申請には対応しておらず、書類は郵送で提出する必要があるため、必ず印刷して準備しておきましょう。
※Form「I-131」の1ページ目右上には「Expires(月/日/年)」と有効期限が記載されています。申請時は必ず最新のフォームを使用してください。
*Form「I-131」の書き方については「2026年版|再入国許可証(Re-Entry Permit)の必要書類とI-131の書き方」で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
Form「I-131」と必要書類の郵送
Form「I-131」の記入が完了したら(手書き署名を忘れないように注意してください)、必要書類一式をそろえてUSCIS(米国移民局)へ郵送します。
再入国許可証の申請時に必要な書類は以下の通りです。
・カバーレター(任意)
・「Form I-131」ー再入国許可証の申請書
・「Form G-1450」または「Form G-1650」ー申請手数料の支払い情報提供のため
・グリーンカードのコピー(裏表の両面)
・「Form G-1145」ー申請受領通知のリクエスト(任意ですが提出を推奨。)
*詳細は別の記事で詳しく説明しています。参考にしてください。
書類の郵送は、追跡サービスがある「DHL」「FedEx」「UPS」「USPS(U.S. Postal Service)」のいずれかを利用します。
なお郵送先はグリーンカード保持者が住んでいる州により異なりますので、以下のサイトで確認してください。
→「USCIS Lockbox Filing Locations Chart for Certain Non-Family-Based Forms」にいく
→ページをスクロールダウンし、「If you are filing… Form I-131:, Mail your form to:」と書かれた表を探す
→この表から自分が住んでいる州を選び、送り先を見つける
書類の送り先は、「USPS」利用の場合と、「DHL」「FedEx」「UPS」利用の場合とで異なります。

例えば、グアム在住でFedExを利用する場合の住所は☟
USCIS
Attn:NFB(Box660867)
2501 S.State Hwy. 121 Business
Suite 400
Lewisvill, _TX 75067-8003
となります。
*情報は2026年4月のものです。予告なく変わることがありますので、必ず「USCIS」HPにてご確認ください。
私が必要書類を郵送したのは2026年3月11日よ。



何度も言うけど、米国滞在中に申請しなきゃいけないんだよね!
「申請受領確認」の通知が届く
「Form I-131」をUSCISへ郵送すると、申請が受領されたことを知らせる通知(Receipt Notice)が届きます。この通知を受け取るには、「Form I-131」と一緒に「Form G-1145(Request for e-Notification)」を同封しておく必要があります。
さらに配達完了から数日後、郵便で「Form I-797C, Notice of Action」が届きました。この通知には「Receipt(受領)」と記載されており、申請費用(630ドル)が支払い済みであることが確認できます。また、書面の余白には「指紋採取(Biometrics)が必要な場合は、後日予約通知を送付する」という案内が記載されていました。


メモ(グアム時間)
3月11日 グアムからUSCISへ書類郵送
3月16日 FedExから配達完了通知
3月19日 USCISから受領通知



受領通知は、郵送してから8日後だね。
「指紋採取(バイオメトリクス)予約」の手紙が届く
「申請受領確認」の通知(Receipt Notice)からしばらくすると、郵送で再び「Form I-797C, Notice of Action」が届きます。この通知は、指紋採取の予約案内「Biometrics Appointment Notice」で、最寄りのUSCISサービスセンターの住所と、指紋採取の予約日時が記載されています。
書類の2枚目には「申請者情報ワークシート(Applicant’s Information Worksheet)」の欄があります。ここには、生年月日、国籍、身長・体重、目の色、髪の色などの基本情報を記入します。
なお、直近で指紋採取を行った場合などは、バイオメトリクスが免除されるケースもあるようです。
*指定された日時に都合がつかない場合は、予約案内に記載された指示に従い、速やかに予約の変更手続きを行いましょう。
メモ
3月19日 申請受領通知
4月2日 指紋採取の手紙が届く
4月10日 指紋採取



指紋採取は手紙が届いてから8日後だったんだ!
指紋採取・写真撮影→完了後は出国可能
指定された予約日にUSCISサービスセンターに出向きます。
当日持参するもの
・「Form I-797C, Notice of Action(ASC Appointment Notice)」
→ワークシートの記入を忘れずに!
・グリーンカード
*筆者は万が一のためにパスポートも持っていきました。
当日は受付後、指紋採取と写真撮影が行われ、終了後に「Form I-797C, Notice of Action」に日付入りのスタンプが押されます。これが完了した時点で、米国からの出国が可能となります。
このスタンプ付き書類は「申請中」であることの重要な証明となるため、必ず大切に保管しておきましょう。
また、書類に記載されているアルファベット3文字+10桁の番号で構成される「Application/Petition/Request Number」も控えておくと、オンラインで申請状況を確認する際に便利です。
メモ
3月11日 書類郵送
4月10日 指紋採取



書類郵送から約1か月かかったね!
USCISから正式な「申請受領通知」が届く
指紋採取が終了すると、登録したEメール宛に申請受領に関する通知が届きます。
USCIS Acceptance Confirmation
「Your case has been accepted for processing. You will receive your official Receipt Notice 「Form I-797C」with your Receipt Number○○○~by standard mail. 」
内容は→「あなたのケースは受領され、処理が開始されます。受領番号が記載された正式な受領書は、後日「Form I-797C, Notice of Action」として郵送されます」
メモ
4月10日 正式な申請受領通知
(指紋採取と同日)



指紋採取が終われば、出国が可能になるんだよね!
再入国許可証の受け取り(2パターン)
指紋採取終了後は、USCISの審査結果を待つ流れになります。追加対応は不要で、審査が終わるまで待機となります。
承認までの時間はどのくらい?
承認されるまでの時間は「Case Processing Times」で確認することができます☟
確認の仕方は☟
同サイトに行き
・Form→「I-131」
・Form Category→「Re-entry permit」
・Field Office~→「Service Center Operations」を選んだあと、「Get Proessing time」を押す。


なお、2026年4月13日時点での審査待ち期間は約16か月とされています。ただし実際にはこれよりも早く承認されるようなので、定期的にUSCISのアカウントや申請状況の確認サイトをチェックすることをおすすめします。
再入国許可証の受け取り方法は二つ
再入国許可証の受け取りは以下の二つです。
①米国内への郵送
②米国外の大使館・領事館での受け取り
*受け取り方法は「Form I-131」の申請時に決めることができますので、都合のよいほうを選択してください。
USCISからの承認された後、米国内への郵送を希望した場合、自宅宛の手紙を待つ形になります。
一方、米国外での受け取りを希望した場合は、再入国許可証が大使館や領事館に届いたことが確認された後、予約をして受け取りに行く流れになります。
*東京米国大使館にて受領待ちの方は再入国許可証受領状況確認ページで確認が可能です。
*札幌、名古屋、大阪、福岡、那覇の領事館を指定した方の状況確認は、再入国許可証受領お問い合わせフォームにてご確認ください。
大使館・領事館に当日持参するもの
・予約の手紙
・「I-797C, Notice of Action (手元に原本がない場合、コピー可)」
・パスポート
・グリーンカード
*家族が代理で受け取ることも可能ですが、上記の書類にくわえ、委任状と代理の家族の写真付きIDが必要です。
指紋採取まで出国を待てない場合(緊急時の対処法)
再入国許可証の申請では通常、指紋採取まで4週間ほどかかります。しかし「そんなに待てない」というケースもあります。そのような場合には主に、以下のような対処法があります。
申請受領後に一度出国し、指紋採取のために再入国
USCISの申請受領を確認後、一度アメリカを出国し、後日指紋採取のために再入国する方法です。
ただしこの方法は、スケジュール調整が必要で一般的には推奨されていません。航空券代や移動コストも含め、慎重に判断する必要があります。
出典:Ashoori Law
再入国許可証の優先処理(Expedite Request)の利用
2つ目は、再入国許可証の審査を早めるための「優先処理(Expedite Request)」を利用する方法です。しかしながらこの方法は、家族の死や重篤な病気などの人道的理由や緊急性などが考慮されるので、誰でも利用できるわけではありません。
優先処理をリクエストするには、主に以下の方法があります。
・「USCIS Contact Center」(1-800-375-5283)に連絡する。 その際、受領番号が必要です。
・USCISのオンラインアカウントから「Expedite Request」を申請する。
また優先処理を申請する際には、「なぜ迅速な対応が必要なのか」を証明するための証拠書類が必要になるので準備をしましょう。
*詳細については「USCISホームページ」の「How to Make an Expedite Request」を参考にしてください。また申請方法などにおきましては予告なく変わることがありますので、必ずUSCISのウェブサイトにてご確認をお願いします。
再入国許可証の申請に関する注意点
出国前に必ず申請する
再入国許可証は、永住権(グリーンカード)保持者が米国内に滞在中にのみ申請が可能です。これは最も重要なことで、出国後の申請は出来ませんので注意しましょう。
有効期間は最長2年・延長不可
再入国許可証の有効期間は最長2年で、延長することはできません。もし2年以上米国外に滞在する予定がある場合は、一度米国内に戻り、再度申請を行う必要があります。
再入国許可証の複数回申請はできるだけ避ける
再入国許可証を取得=永住権の維持の保証ではありません。
再入国許可証はあくまで「一時的な米国外滞在を認める許可」であり、頻繁に申請を繰り返すと「米国に居住する意思がない」と判断される可能性があります。そのため、複数回の申請はできるだけ避けることが推奨されます。
再入国許可証の申請回数に上限はありませんが、永住権取得後、または過去5年間(いずれか短い期間)に合計4年以上米国外に滞在しているケースでは、再入国許可証の有効期間が1年に制限されることがあります。(プロスポーツ選手などの例外あり)。
住所変更は速やかに報告する
申請中に住所変更があった場合、USCISに速やかに報告することが大切です。「USCISオンラインアカウント」を作成し、常に最新の情報を更新しておきましょう。
米国市民権の取得への影響考慮
永住権の取得から5年が経過(米国市民と結婚した場合は3年)すると、米国市民権の申請資格が得られます。ただし、この期間の半分以上は米国に滞在している必要があり、米国を長期間不在にした場合には市民権取得に影響を及ぼすことがあります。
米国市民権の取得を検討している方で、長期の海外滞在を予定している場合、この点を十分に理解した上で計画することが重要です。
出典:10 Steps to Naturalization、USCISウェブサイト
*制度の詳細や個別のケースについては、USCISの公式情報や移民専門家への確認をおすすめします。
まとめ
再入国許可証は、出国前にルールに沿って適切に申請を行うことで、再入国時のトラブルを防ぐことができます。
指紋採取後、実際にどの程度で許可証が発行されるのかは現時点では不明ですが、承認・受け取りが完了次第、改めて情報を共有する予定です。本記事が、これから申請を行う方にとって少しでも参考になり、スムーズな手続きにつながれば幸いです。
*2026年3月時点での情報です。最新の情報は必ず、USCISのウェブサイトでご確認ください。





